五円と書いてある。しかも穴がない。うわ。十円玉だと思っていた。お客さんもきっと間違えたんだ。缶の中で長いこと眠っていたんだろうな。あーあ。５円損した。と思ったら先生が一言。「すごい価値やったりして」と。
え？……ふふふ……ふふふふふ。ワクワクしてきた。だってお屋敷なんだもの。そのお屋敷の缶の中で長い間眠っていたんだもの。きっと先代が大事に置いていたんだ。先代とか、全然知らないのに妄想が止まらない。
裏を見ると年号が書いてある。昭和２４年。バカ親父が生まれる１２年も前。法隆寺が燃えて１ドルが３６０円に固定されて、湯川秀樹博士がノーベル物理学賞を受賞して、プロ野球がセリーグとパリーグに分裂した年だ。調べたんだけど。
大昔じゃないか。これは期待できるかもしれない。と、早速ネットで調べてみた。６６年後はこんなに便利な時代になってるんですよ、湯川先生。そしてすぐに鑑定結果が出た。昭和２４年製造の穴なし５円玉の鑑定結果。スクロールで下へ。⬇︎
５円。どやさ。
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これはひょっとして……お宝発見か⁉︎
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