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 ←まずはポチッと。   IMG_6915_Fotor   犬にも酒を飲まそうと言うのではない。一緒に呑めればそれに越したことはないが、犬の肝臓にはアルコールを分解する機能がないらしい。そんなことをしたらおそらく病院行きになる。だからただ、晩酌につき合ってもらう。 テーブルの上に百均で買ったランチョンマットを敷き箸を置く。箸は少しいいものだ。大概の備品は百均で事足るが、箸はいいものを使わないとイヤと奥が言う。そんなものかな。ぼくにはよくわからない。 焼酎用に買った陶器のグラスに氷と梅干しを入れ、安物の芋焼酎をなみなみと注ぐ。コンビニで買ったあたりめの袋を開けた。まだ犬たちは知らん顔でそれぞれがくつろいでいる。これでは一緒に呑むことにならない。 さてと。犬たちのおやつを出さないと。それは冷蔵庫の上に置いてある。盗み食い防止策だ。冷蔵庫の上に手を伸ばし、おやつの入ったバスケットを取る。途端、一斉に犬たちがへばりつく。よく知っている。 テレビをつける。旅番組にチャンネルを合わせイスに座った。人生半世紀を超えた頃から、バラエティ番組はほとんど見なくなり、BSやケーブルTVで旅番組を探してまで見るようになった。同年代はみんなそんなものだろうか、どうなのだろう。 テーブルの向こう側に桜子(ラブラドールレトリバー♀十歳)と雪子(スタンダードプードル♀七歳)、足元に風花(ミニチュアダックス♀十二歳)が晩酌のご相伴にあずかろうとこちらを凝視して座っている。平和だ。この時間がたまらなく好きだ。 旅番組もそうだが、このゆるい感じが心地よいのは、やはり歳のせいだろうと思う。いよいよ酒がまわってくると、番組で時折紹介される色紙などに書いてある名言に必要以上に感動してしまうのもそうだ。この日もいたく感動した言葉がある。作家、中谷彰宏氏の言葉。 「運がいい人も、運が悪い人もいない。運がいいと思う人と、運が悪いと思う人がいるだけだ」 いい言葉だと思うが、酔っていると涙が出そうになるほど感動してしまう。そして愛犬らにおやつの大サービスが始まり奥に叱られる。そんな、なんてことのない「日常」を送れることが一番幸せなことなんだと、心から思えるようになった。歳をとるのも悪くない。 どやさ。ブログランキング参加中です。応援のポチッと。]]>