典型的な「優位性攻撃」というもので、血統、育て方、飼育環境と原因となる要素はいくつかありますが、たとえそれが血統からくる、いわゆる生まれつき持った性格であったとしても、環境や育て方によって必ず改善されます。 たとえば、食事をしているときに手を出すと唸るとか、ソファーで寝ている犬をどかせようとしたら唸るとか、これらも優位性攻撃のひとつです。 犬にいやな思いをさせた私が悪いのよ、なんて思ってしまうタイプの人は気を付けてください。 これはその群れ(ご家族のこと)にボスが不在で、「よっしゃぁ!ほんならいっちょガンバろか」と犬がその群れのリーダーシップをとろうとしている瞬間なのです。 いや、もうすでにボスとして君臨している可能性もあります。 犬は本来群れの中で生活します。 群れの中で力の強弱を認め合い優劣関係を作ることで無用な争いを避け、群れとしての秩序を守りながら組織を作りあげていきます。 そして群れのボスは優先的に食事や寝床を手にいれます。 他のものがそれに従わなかった場合は唸ったりおどしたり、さらには攻撃もします。 食事中に手を出したら唸られたり、ソファからどかせようとしたら噛まれそうになったりするのは、こいつはボスに挑戦してきやがった、と判断されてしまっているからです。 逆に言うと、飼い主さんがボスとして君臨すればその行動は収まります。 では、どうすればボスとして認めさせることができるか。 まず叱るという選択肢もありますが、これは並大抵の叱り方では相手をさらに興奮させ、それを途中でやめてしまったりすると、犬は「よっしゃ、勝ったで」となり、いよいよ逆効果になります。 となればどうすればいいのか。 先ほども書きましたが、犬は群れの動物です。 群れの動物なので元来さびしがり屋で孤独を嫌います。 まず群れの代用となり得るおもちゃやぬいぐるみなどを取り上げます。 そして徹底して無視をします。目線も合わせてはいけません。 もちろんこれはご家族全員で統一してください。 誰か一人でも相手をすれば、この作戦は失敗します。 これには犬も凹みます。 頭が混乱して、まず群れに戻ることを願います。 相手をしろと吠えたり、何とか自分の方を向かせようと必死になります。 その時点ではまだ無視をしなければいけません。ただし水と御飯だけは切らさないでくださいね。 そして犬がおとなしくなった時に、その呪縛を解き放ってやります。 そうすると、群れに一緒にいることのできる環境が、犬にとっての何よりのご褒美となっていきます。 もちろん1度では済みません。 そして繰り返しながら、次はスワレだとかマテだとか、いわゆる服従訓練を織り交ぜながら、孤独の呪縛から解放していってやります。 相手にしてもらえる=訓練になります。 そうすれば、犬は訓練が楽しくて仕方がなくなります。 これは服従訓練ですから、この頃には優位関係も逆転し、前述の問題行動もすっかり影をひそめていきます。 しかし油断するとまた逆転してしまいます。 繰り返し継続していくことがすべてを解決してくれますが。 少し長くなりました。 今日書いたことを、かわいそうと思われるかもしれませんが、群れの一因として家族として共生していくためには必要なことだと考えます。 素晴らしい群れ、本当の家族となるために。 がんばりましょう。どやさ。↓]]>