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300874_224734877593633_260253477_n   あの日以来、私の誕生日はしじみの命日となり、つまりしじみとの思い出に浸る日になりました。なんともしじみの思惑通りというか、お見事というか、でもおかげで気づいたことがあります。 先日、来春早々「犬のきもち」に載る拙著プレゼント企画の打ち合わせでベネッセさんへ行った際、打ち合わせ途中担当の方との雑談で、ペットロスに関する記事を載せるのが一番難しいという話が出ました。 必ずやってくるその時をどう迎えるか。ペットロスとどう向き合うか。個人差はあるにせよ、愛犬家であれば避けることのできない、特にこのペットロスという問題について。矛盾しているようですが「愛犬の死」という事実とは切り離して考えないといけないかもしれないと思うようになってきました。 この仕事で(特に今年は多かったのですが)、飼い主さんと愛犬の別れををたくさん見てきた経験上、ペットロスの本質はつまり人の心の問題であり、非常にデリケートなものだと痛感しています。 耐えられないから次の家族を迎えるという手段で脱する人もいます。もう二度と飼わないという方法を選ぶ方もいます。数年経っても苦しんでおられる方もいらっしゃいます。どうしてそんなに苦しむの?と、この問題自体を理解できないという方もいらっしゃいます。 友人間、家族間でさえも愛犬を亡くすことに対する悲しみに温度差があるのです。価値観の違いですね。これは当然です。ただ、ペットロスで深く悲しみが続いている方には、励ましではなく、どうやらこの価値観の共有が大切なことのようです。 もちろん後悔を残さず、楽しい愛犬との生活を送り切ることや、たとえば介護をやり切ったという達成感が、明るく見送る要因にもなり得ますが、身近な人こそが、その悲しみを理解してあげることが何より脱ペットロスの第一歩になると思います。 そしてもうひとつ大事なこと。愛犬を亡くし悲しくて枯れるほど流した涙が、愛犬があなたの横で尻尾を振っている姿を思い出しての泣き笑いに変わる日が必ず来ます。そして私たちもいずれ逝き、虹の橋のたもとで再び会える日も必ず来ます。 だからその日まで、はぐれないように心に中にいる愛犬に存分に寄り添ってあげてください。愛犬のことを忘れるのではなく、絶対に忘れないことが大事なのです。 そうか、だからしじみは、私の誕生日に逝ったのか。虹の橋で待ってる間、私たちの心から絶対はぐれないように。最近、物忘れがひどい親父に忘れらないように。しーちゃん、やっとわかった。 どやさ。]]>