先日の記事でリミッティング・ビリーフがキーワードとなる問題行動に対する姿勢の重要性について書きましたが、もう少し書いてみたいと思います。リミッティング・ビリーフとは簡単に言えば個人の「固定観念」や「思い込み」のことで、実は犬の問題行動というのは、飼い主のこの固定観念から作り出されていることがほとんどです。 言い換えると、犬の問題行動というのは「飼い主が苦痛に感じる行動」であり、ある人にとっては問題行動であるものが、別の人には全く問題行動とされないということが多々あるということ、つまり考え方一つで問題行動に対する苦痛を和らげることも可能となります。 まずはその問題行動の原因を探り、関連する犬の習性を理解し受け入れることから始めます。実際に愛犬の問題行動に苦痛を感じ、悩まれている方にとってはそう簡単なものではないかもしれませんが、プロのトレーナーは、まず間違いなくその原因を突き止める作業から入ります。 その「原因を突き止める」作業というのは実は犬を見るのではなく、その家庭環境やご家族の対応を観察する作業ということになります。犬のことはシンプルに行動を見るだけ。ほとんどの問題行動は私たち人間が作り出しているものであるということを、トレーナーは経験上よくわかっています。 トレーナーは第三者ですから、実に冷静にその原因を探ることができます。言い方が悪いかもしれませんが、他人事です(笑)。だからそこに苦痛や悩みはありません。感情的になることなく、その問題行動を受け入れ原因を分析し解決することに集中します。そこさえわかれば90%終わったも同然、あとは対策だけです。 私たち飼い主が見習うべきはプロのトレーナーのトレーニング技術ではなく、このまるで他人事のように冷静に受け入れるプロトレーナーの気持ちの持ちかたの方です。愛犬を飼い始める時には考えもしなかった困ったことが起きているというのは、飼い主の固定観念の中にあった「愛犬との生活」というイメージが否定されている状態です。 こちらが知らなかっただけで、犬とはそういうものなのだということを受け入れるところから始めてみてください。そうすると原因が明らかに見えてきます。あとはトレーナーに依頼するのもいいと思います。私たちは私たちで、その原因となった生活環境や対応を見直すのです。そこをしないと元の木阿弥ですから。 犬たちは一度学習したことは忘れません。忘れませんが手を抜くことはよく知っています。プロのトレーナーさんによって教えられた人間界のルールを守るという行動。それをせっかく覚えたのに私たち飼い主が愛犬のことを理解していないと、あれ?となり、すぐに手を抜き元の犬の習性丸出しの子に戻ります。 ①受け入れ→②理解→③対策→④継続、これが問題行動対策の流れです。私たちは多くの場合、いきなり③の対策から始めようとしてしまいますが、そうすると④の継続というのが難しくなってしまう。継続には①の受け入れること②の理解することが最も重要な段階になるからです。 もしも今、問題行動で悩んでおられるなら、今一度愛犬にイメージしていた固定観念を見つめ直してみることから始めてみてはいかがでしょうか。 ※お知らせ〜先日予告しました春の日帰り愛犬バスツアーの日程が4/23(土)から4/2(土)に変更になります。詳細は2月上旬、わんわん倶楽部ホームページにて発表になります。今しばらくお待ちください。 どやさ。
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