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IMG_6099_Fotor※本文と写真は関係ありません

最近目にすることが多くなった「メタ認知」という言葉。ウィキペディアでは『現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力を言う。 自分の認知行動を正しく知る上で必要な心理的能力』とあります。表現がむつかしいな。

何か事が起きた時に、自分の考えや行動を客観的に捉えながら監視コントロールできる能力。震災の報道で見た、被災地でGSの列に割り込んで給油したテレビ局のスタッフや、弁当を載せてツイートして炎上したアナウンサーなどは、もうちょっとそれを勉強した方がいいかもしれないね、という能力の事です。

よくよく考えてみると、犬の問題行動に対する私たち飼い主の態度こそ、そのメタ認知能力が問われていることになります。拙著にも書いていますが、犬の問題行動を解決するには、まず私たち飼い主の愛犬に対する対応を分析する必要があります。問題行動の原因はほとんどの場合において私たち側にあるからです。

こちらが当たり前と思っている行動が、実は一番の原因だったりするわけですね。例えば愛犬のチャイムに対する「吠え」が飼い主さんにとって問題行動だったとします。チャイムが鳴る→吠える→○○ちゃん!○○ちゃん!静かにしなさい、○○ちゃん!と名前を連呼する……往々にしてあるこのパターン。

私たち飼い主側はそれをやめてほしいと思って名前を連呼するのですが、それが逆にスイッチとなり、愛犬の吠えにさらに火をつけてしまっていることに気づかないでいます。皆さん、名前を呼ぶのは呼び戻しや褒める時に使っていますから、叱る時にも名前を呼ぶと犬たちは混乱します。叱る時はコラでもゴルアァでもアホンドァラーでもお好きなものを。

なのですが、自分の行動のどこが間違っているのかを自覚するのが先で、それがなかなか難しいのです。問題行動の起きている場面を第三者に動画で撮ってもらえば分かりやすいのですが、なかなかそうもいきません。プロに指摘してもらうのも手っ取り早いですが、これもなかなか言われた通りにできない。

問題行動の要因になっている行動は、私たち飼い主にとっては無意識の行動でクセになってしまっていますから、直そうにもよほど意識していないとついつい出てしまいます。ここにメタ認知能力の必要性が出てきます。つまり、どれだけ自分の行動を客観的に分析し行動を意識できるかにかかってきます。

客観的に見ると全然できていないことがよくわかります。偉そうなこと書いてる私もそうです。「あ、また名前呼んでもうた…」ということが頻繁にあります。もし犬たちがツイッターをできたなら、私たち飼い主の行動はまさに「言ってる意味がわからないんですけどぉ」「今それ言う?」「ハァ?」等々、炎上必至(笑)。

問題行動で悩んでいらっしゃるならば、愛犬を叱るより先にまず自分の行動を客観的に分析してみてください。やっぱり今の世の中スマホが一番。動画を撮るのが難しければ、音声だけでもいいので録音してみてはいかがでしょうか。必ずそこに問題行動の原因となるこちら側のクセが見つかるはずです。

私たち飼い主の行動を自ら認知することから始めることが重要です。それが問題行動解決の最も近道であるのは間違いありません。ちなみにメタ認知能力の優れた人はほぼ例外なく異性にモテるんですて。えらいこっちゃ。特訓しよう。メタボなら十分認知してるのに。あかんか。

どやさ。

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