犬の「吠え」に「無駄吠え」はない
「無駄吠え」という言葉があります。無駄吠えをやめさせる、無駄吠え防止グッズ、無駄吠え対策口輪……「無駄吠え」で検索すると、ズラッと出てくるのはすべて犬のことです。
でも犬は「無駄吠え」はしません。吠えるときは必ず何か理由があります。ヒマだから吠える犬はいません(笑)。警戒していたり、怖がっていたり、痛かったり、何かを求めていたり……
何かしらの感情を仲間(現代の日本ではほとんどの場合家族)や相手に伝えるために吠えます。つまり、吠えるのをやめさせるためには、犬が何を伝えたいのかを理解しないと始まりません。
「吠え」の多様な意味
おやつやフードを目の前にして早くちょーだい!おもちゃを見せると遊んで!という要求吠え。不審者(犬にとっては来客も不審者)の侵入を知らせる警戒警報発令吠え。明らかに敵に対する威嚇吠え。
体調不良でどこかが痛くても鳴きます。この場合は泣きますの方が正しいかもしれません。認知症による夜鳴きもあります。救急車のサイレンなどに反応する遠吠え。あれは群れに自分の位置を知らせる行動なんだそうです。
いろいろな吠えや鳴きがありますが、よく観察すると場面によって吠え方の声も違います。ワンワン、ガウ〜〜。キャンキャン、クンクン、ウォ〜ン。明らかに感情を伝える術です。
そして俗に無駄吠えと言われる吠えは、ほとんどの場合、警戒吠えが多いように思います。それをやめさせたい飼い主さんがほとんどです。
吠えるのは犬の仕事。大事なのはコントロール。
吠えない犬はいません。犬は吠えるものです。どうか、「うるさい!静かにしなさい!」と、感情的に叱ってあげないでください。
外でワンワン吠えるのは、何かを飼い主に伝えようとしている、犬にとって仕事みたいなものです。それが犬本来の姿。なぜ吠えているのかを理解してあげるところから始めてください。
でも現実問題、私たち飼い主はご近所迷惑を考えてしまいます。人間社会で一緒に生活する以上、守るべきルールというものがあります。
「吠え」をやめさせる唯一の正しい方法、それは飼い主が真のリーダーになり、愛犬をコントロールすることです。例えば警戒吠えは、真のリーダーが「わかった、もういいよ」といえば鳴き止みます。
口輪も、吠えるとビリビリ電気が来る首輪も、声帯除去も必要ありません。真のリーダーが存在するだけで、犬のストレスは激減し、吠えの問題も解決されていきます。
リーダーになりたくてなる犬はいない
真のリーダーが存在する群れにすることが、無駄吠えと呼ばれる吠えをなくす最善の方法です。そしてどの犬も例外なく、真のリーダーの存在を求めています。
リーダーになりたくてなる犬はいません。飼い主さんが方法を間違えてしまった結果、仕方なくリーダーになっていることはよくあります。
リーダーになった犬は、群れを守るために一生懸命働きます。吠えるのもリーダーとしての自覚。なのに叱られる。しかも子分に叱られる(笑)。なんて理不尽なことでしょう。犬にとっては理解不能です。
リーダー論は長くなります。またこのブログでも書きますが、拙著「愛犬と幸せ家族になる方法」(PHP文庫)にも詳しく書いています。宣伝、どやさ。
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