こんにちは、あんさん(@kazuo_ansan)です。 ネットニュースで流れてきました。
感染症対策とか、一切なさそうですね。まいった。 中国の「子犬の売り方」が酷すぎると話題・・・もはや生き物とは思ってない(※動画あり) https://t.co/VPC0Mm49bS
— DOGWEB~by fuca (@DOGWEB_fuca) 2017年6月30日
中国ですが、ツイッターでは例のごとく様々な意見が飛び交っています。
たしかに、まるでぬいぐるみのような扱いですね。
これで見る限り、感染症対策はしてなさそうです。
日本も言えた柄ではないですけどね。
ペットショップで劣悪な環境のところは、未だいっぱいあります。
子犬は買うものではなく飼うもの
かわいい!と言ってすぐ買う人が多いので、ペットショップは成り立ちます。
最近はかわいそうと言って買う人も多いでしょう。
ペットショップはそれもわかってます。
ペットショップを憎む人がいますが、それはお門違いではないでしょうか。
気持ちはわかりますが、改善すべきは日本の制度であり、私たち愛犬家の意識の持ちようです。
つまりは、現在の日本では制度も意識も緩いのです。
動愛法による規制
「動物の愛護及び管理に関する法律(略して動愛法)」が、日本においてはあらゆる動物愛護規制の砦です。
たとえば子犬の販売について。
ペットショップに陳列する月齢が定められています。
平成28年9月から生後56日にならなければ販売できなくなりました。
10年前は40日だったと記憶してます。
それが45日になり49日になり56日になりました。
ペットショップの団体等が総力を挙げて抵抗したのは言うまでもありません。
上に書いたように、子犬は小さければ小さいほどかわいいですから高く売れるのです。
ところが動物愛護的には母犬から離す時期は最低でも生後90日以上は必要です。
子犬の社会化には親兄弟と一緒に過ごす時間が必須ですから、早く離すことはその後の問題行動の要因になります。
犬に問題行動が増えるとどうなるか。
言わずもがな、かわいいだけで買った人には面倒が見切れません。
結果、不幸な犬が増えます。
40日で売りたいショップと90日を主張する環境省。
間をとって56日?
まだまだ間の数字じゃないですね。
目標は犬猫の店頭販売禁止
動愛法改正に向けて環境省への要望や国会議員へのロビー活動をしている団体のホームページです。 注目したのは第2節の赤字にした部分。
販売月齢を改正するのではなく、店頭販売自体を禁止するように求めています。
40日から56日にするのにかかった年月を思うと、一体いつになるのか考えただけで気が遠くなりそうですが、いつかその日が来るまで、一歩ずつ進んでいかなければいけません。
動愛法改正の署名を求めているサイトもあります。ぜひ↓
動物愛護法2018年改正へ向けて署名にご協力ください<国会請願署名>
買う側の意識改革
もう一つ緩いのが、これから犬を飼おうかと考えておられる方も含めた愛犬家の意識です。
上の中国のニュース。
まるでぬいぐるみのように扱ってると人ごとのように憤慨しますが、まだまだ日本でもまるでぬいぐるみを買うような感覚で子犬を買う人が多いのも現実です。
かわいい!と買ったものの、粗相はするわ破壊はするわ、夜泣きはするわ噛みつくわ。
こんなはずじゃなかった・・・となる。
では、どんなはずだったのでしょう。
それは子犬のせいでなく、100%買った人の責任です。
飼う前に知っておくべき、犬の飼養に関する知識と覚悟の不足です。
子犬本来の姿を知る
子犬とはこういうものというのを挙げてみます。
・子犬は粗相をするものです。
・子犬は泣きます。
・子犬は破壊王です。
・子犬は1日3度ご飯をあげないといけません。
・子犬は生後6ヶ月までに予防接種を3度受ける必要があります。
・子犬は予防接種が終わるまで散歩をしてはいけません。
・子犬は狂犬病予防接種をして畜犬登録をしなければなりません。
・子犬はお腹に蟯虫など寄生虫がいることがよくあります。
・子犬は散歩デビューしても最初は歩きません。
・子犬は(犬は)ノミダニ対策が必要です。
・子犬はソファほどの高さから落ちだだけで骨折することがザラです。
・子犬(特に小さい子)は一緒に寝ると飼い主さんに押しつぶされて死ぬことがあります。
・子犬は暑さ寒さに特に弱いです。
・子犬は基本子供とは相性が良くありません。
・子犬の生涯にかかる費用は250万〜350万円必要です。
まだまだ、あげだすとキリがありません。
生涯費用のご参考に、以前書いた記事です。↓
🔜 ネオベッツVRセンターの診療費用公開&犬を飼うと必要な生涯費用
この現実を知るのがまず第一歩。
でもこれだけではまだ足りません。
犬を家族にするということ
犬にしつけは必須です。
しつけは簡単なものではありません。
中にはしつけしなくても賢い子がいますが、それは稀です。
人間と同じく、犬も若いほどものを覚えるのも速く、教えたら教えただけ吸収してくれます。
犬のしつけは飼い主としての”責任”ではなく”義務”です。
人間社会で生きていく上で必要な最低限のルールとマナーを教えるのがしつけです。
私たち飼い主側もマナーを学ばないといけません。
時代とともにマナーも変化していくからです。
愛犬家のマナーについては「愛犬家のマナー」カテゴリーで書いています。
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🔜 お散歩=排泄の時代は終わる〜愛犬家が知っておくべき現代のマナー
🔜 マナー?裁判?慰謝料?知るほど怖い〜犬の散歩に潜む危険性
拙著も参考にしてください。
ゆりかごから墓場まで、犬のことを”読みやすくわかりやすく”をテーマに書いています。
まとめ
動愛法の改正、子犬のしつけ、それよりもっと大事なのは私たち飼い主のモラルです。
生後90日になるまでは親犬と離すべきではないということを知らない人が多いのが現実。
犬を飼う前に”知っておくべきことがたくさんある”ということを”知らない”人が多いのも現実。
先日も動物病院で、ワクチンの説明と金額を聞いてするかしないかを悩んでいる若いカップルを見かけました。
どうやらワクチンの存在は知っていたようですが、その必要性をもう一つ理解できていない様子です。
カウンターのところで大きな声で2人で悩んでいるものですから、まる聞こえなんです。笑
思わず「受けとかないとドッグランにもドッグカフェにも入れないよ」とお節介親父になりました。
すると「えーーー!」となり、「します!」と。
これは責任感の有無というより、知らないだけなんですね。
病院の受付スタッフももっと自信を持って勧めてほしいし、必要性を説く表現の仕方を勉強するべき。
モラルとは倫理です。
犬に倫理を求めることはできません。
犬を飼うことに関する倫理を学ぶのは飼い主です。
この倫理を理解している愛犬家が、啓蒙活動をしていくことが何より重要だと思っています。
正義も振りかざすと正義ではなくなりますから、強制であってはいけません。
すべきは啓蒙です。
追記(2017年7月5日)
読者の方からご指摘があり、調べ直してみましたら、以下のようになっていました。 「平成28年8月31日までの3年間は制限月齢を生後45日とし、その後新たに法律で定めるまでの間は生後49日とする」
この新たに法律で定めるまで・・・っていつなん?と思って調べましたが、まだ不確定のようです。 よって、現行では経過措置として生後49日で販売が可能になっています。
組織の力が働いてますね。
長文、最後までご拝読いただきありがとうございました。
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